August![]() ―いかれた 甘い甘い アナタの ぬるりと滴るこの指先を そっと唇に触れさせて 舌で優しく味わえば それは素敵な ![]() レースたっぷりのドレスも 真っ赤な大きなリボンも 腕に余るくらいのテディベアも キレイなピカピカの靴も ミルクたっぷりの甘いココアも 何にも何にも、いらないの。 アナタの指と唇で 私は何処へだってイける。 ![]() ―アイ― 瞳を奪って 視界を閉ざして 耳を潰して 音を留めて 口を塞いで 呼吸を殺して 私の世界に 要らないの ![]() 息吸って。 吐き出して。 それで、なんとなく。 うん、生きてる。 ![]() ―45度― 唇を優しく歪めて 目元を少し赤らめて 頬が柔らかく膨らんで 睫毛が瞳を恥ずかしげに隠す うつむき加減は45度 すねた君 僕の一番好きな ![]() 愛しいアナタ。 手に入らないなら 全部遺さず、食べてあげる。 ![]() まだ、走らなきゃいけない? まだ、頑張らなきゃいけない? ![]() ―好き。― 分かってる。 この恋は、 踏み込んではいけないの。 一歩踏み出せば、 もう、後戻りなんて出来ない。 私はまだ子供で、 ちっぽけで、 愚かだから、 全てを捨てる勇気なんてなくて。 全てを手に入れる強さなんて、 信じられなかった。 好き。 好きよ。 きっと、ずっと、 一生。 好き。 大好きよ。 ![]() ―小鳥― キレイね。 キレイね。 とてもキレイね。 欲しいわ。 欲しいわ。 とても欲しいわ。 私、大切にしたわ。 とても大切にしたわ。 それがいけなかったかしら? プラチナの鎖で飾って、 銀の籠のお部屋に込めたの。 素敵な器に温かい食事と、 たっぷりの紅茶を用意したの。 香りたつようなお花だって、 いつも欠かさなかったのよ。 それがいけなかったかしら? それが、いけなかったのかしら? なぜ、鳴かなくなってしまったのかしら? ![]() わたし、良い子でいたわ。 ワガママなんて言わなかったし、 お留守番だってきちんとしたわ。 お野菜だって残さず食べたし、 お着替えだって一人でしたの。 転んだって泣かなかった。 一緒にいて欲しいなんて、 そんな駄々こねたことだってないわ。 みんなが持ってるお人形だって、 おいしいケーキだって、 大きなテディベアだって、 欲しがらないの。 欲しいのは、 お人形なんかより優しくて、 ケーキなんかより甘くって、 テディベアよりずっと温かいもの。 ねぇ。 一体、あとイクツの"わたし"を殺せば、 わたしは愛してもらえるの? ![]() ―嘘。― ひとつ、嘘をついた。 ただひとつの真実を守るために。 またひとつ、嘘をついた。 真実を守るための嘘を隠すために。 もうひとつ、嘘をついた。 真実を守るための嘘の嘘を嘘で隠すために。 嘘は嘘で、嘘でなくなった。 けれど。 もう、真実なんて見えなかった。 ![]() でも大丈夫。 私は小さな星になって、 アナタの海に降り注ぎ 波に優しく絡まりながら 静かに溶けていくから。 ![]() どうかこの想いを 遥か空の彼方へ放り投げて どうかこの願いを 遥か海の彼方へ深く沈めて どうかこの祈りよ アナタの元へ届かないで・・・ ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|